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鹿児島本線
鹿児島本線(かごしま-ほんせん)は、北九州市門司区に位置する門司港駅を起点に、福岡県・佐賀県・熊本県・鹿児島県を経て、鹿児島市の鹿児島駅とを結ぶ鉄道路線。八代駅と川内駅が九州新幹線開業に伴って、第3セクターに経営分離されたため、該当区間が分断されている。
九州島の中心部分を通る事実上の幹線だが、地域によって輸送形態が異なり、福岡・北九州都市圏では通勤時間帯を中心に過密状態になる一方、それ以外では時間帯を問わずに本数が減らされるなどまちまちである。
スペック情報
- 九州旅客鉄道(JR九州)が定める路線名:鹿児島本線
- 鉄道路線の種類:在来線・幹線
- 鉄道ナンバリング:
JA(門司港駅~博多駅)
JB(博多駅~荒尾駅)
- 鉄道ラインカラー:赤
- 実延長距離:
(門司港駅~八代駅)232.3km
(川内駅~鹿児島駅)49.3km
- 起点:北九州市門司区(門司港駅)
- 終点:鹿児島市(鹿児島駅)
- 主な通過点:
(福岡県)北九州市(小倉北区・八幡西区)・福岡市(東区・博多区)・筑紫野市・久留米市・大牟田市
(佐賀県)鳥栖市
(熊本県)荒尾市・玉名市・熊本市(北区・西区)・宇土市・八代市
(鹿児島県)薩摩川内市・いちき串木野市 ……など
- 線路の幅:1,067mm(狭軌)
- 線路の種類:
(複々線)門司駅~折尾駅、博多駅~竹下駅
※貨物線・福北ゆたか線向けの線路が別途あり
(複線)折尾駅~博多駅、竹下駅~八代駅、木場茶屋駅~串木野駅、東市来駅~鹿児島駅
(単線)川内駅~木場茶屋駅、市来駅~東市来駅
- 電化方式:架空電車線方式
交流20,000V・60Hz
- 閉塞方式:
(複線)複線自動閉塞式
(単線)特殊自動閉塞式
- 自動列車停止装置:ATS-DK・ATS-SK
- 最高速度:
(門司港駅~八代駅)時速130キロ
(川内駅~鹿児島駅)時速95キロ
- 最初に開業した日:1889年12月11日(博多駅~千歳川仮停車場)
※旧・九州鉄道会社による開業。千歳川仮停車場線は、現在の肥前旭駅付近。
- 最後に開業した日:
(人吉経由)1909年11月21日
※現在は肥薩線の一部
(川内経由)1927年10月17日(湯浦駅~水俣駅)
※現在は肥薩おれんじ鉄道会社線の一部。
鹿児島本線おおまかマップ
鹿児島本線おおまかマップ
鹿児島本線を走る車両
優等列車
- 783系(リレーかもめ・みどり・ハウステンボス・かささぎ)
- 787系(ソニック・にちりんシーガイア・リレーかもめ・かささぎ・きらめき・かいおう)
※「きらめき」は門司港・小倉~博多を行き来、「かいおう」は博多・吉塚~直方を福北ゆたか線経由で連絡する特急列車。朝夕の通勤時間帯のみ走るため、実質的にホームライナー。
- 883系(ソニック・リレーかもめ・かささぎ)
- 885系(ソニック・リレーかもめ・かささぎ)
普通列車
- 811系(門司港~大牟田)
- 813系(門司港~大牟田)
- 815系(鳥栖~八代、川内~鹿児島中央・鹿児島)
- 817系(鳥栖~八代、川内~鹿児島中央・鹿児島)
- BEC819系(博多~香椎、博多~吉塚)
※香椎線・福北ゆたか線乗り入れ
- 821系(門司港~大牟田)
- 415系(下関・門司~小倉、小倉~荒尾)
※山陽本線乗り入れ
- キハ220系(鳥栖~久留米)
※久大本線乗り入れ・熊本エリアの快速列車でも使用。
このほか、肥薩おれんじ鉄道の気動車も鹿児島本線の一部に乗り入れる。
駅舎訪問
-
北九州・福岡・佐賀エリアでは、独自の駅ナンバリングが設定されており、博多駅を基準に、小倉・門司港方面を「JA」、久留米・大牟田方面を「JB」と区切って番号が繰り上がる。
[JA] 門司港―折尾(北九州市内)
[JA] 折尾―博多(北九州・福岡都市圏・福岡市内)
[JB] 博多―鳥栖(福岡市内・福岡都市圏)
[JB] 鳥栖―大牟田(筑後地方)
荒尾―熊本
熊本―八代
鹿児島県区間
鹿児島本線あれこれ
起点駅と本州への駅が異なる理由
鹿児島本線の起点(0キロポスト)があるのは、門司港メトロ地区にある門司港駅だが、本州へ渡るのは2駅先の門司駅。関門トンネルが開業するまでの間は、門司港駅で乗り換えとなっており、現在ではブロック塀で封鎖されているものの、かつてはそこに「関門連絡船」が設けられ、そこから船を使って反対側の下関駅とを連絡していた。
SUGOCA
最初のうちは福岡・佐賀県区間と、熊本支社との入れ替わり地点である荒尾駅(以前はそこまで快速列車が乗り入れしていた)までの区間で、ICカード乗車券のSUGOCAが利用できた。その後、サービス利用区域が拡大して、肥薩おれんじ鉄道線を除く全線で利用可能になっている。
2018年のダイヤ改正のポイント
空気輸送(客を乗せずに輸送すること)への対策から、従来の快速列車に加え、特定区間のみ快速で輸送する他は、原則として普通列車で運行する「区間快速」の概念が追加された。以前からあった、北九州市内・都市圏~福間駅までの「準快速」を見直したもの。同時に、下り列車の終点が「荒尾で乗り換え」ではなく、そのまま八代駅まで直行するように見直され、鳥栖以南の本数も実質的に削減されている。
田原坂付近の上下分離区間
田原坂駅と植木駅の間が丘陵地になっている関係上、上下線で大きく車線分離している。上り線(大牟田・博多方面)は山沿いをなぞりながら大きくカーブするのに対し、下り線(熊本・八代方面)はトンネルで一気にてっぺんまで行く。開業当時、現在の上り線を使って単線運行していたことの名残。 下り線のトンネルも傾斜が結構厳しかったりする。
おれんじ鉄道線との関係
八代駅と川内駅との間は「肥薩おれんじ鉄道」会社線が管理する「他社線」扱いになっているが、元々は鹿児島本線の一部。九州新幹線のうち、新八代~鹿児島中央が部分開業した際、JR九州が不必要と判断して経営切り離しを行ったことが原因である。あくまでも「他社線」なので、青春18きっぷで乗り継ぎ出来ない(おれんじ鉄道会社線の別運賃が必要)など、「在来線利用客泣かせ」の分断ゾーンである。
おれんじ鉄道会社線も、通勤時間帯に限り熊本駅・新八代駅・隈之城駅へ相互乗り入れするなどの便宜は図っているものの、元々が海沿いを走る海岸線であることや、特急が走っていた頃も普通列車は1時間に1本程度と貧弱な区間であったことから、何をしても鹿児島へ行くのは途方もない時間と労力が必要になる。
接続する他の路線
JR線
- 九州新幹線
博多駅を起点に、熊本・鹿児島中央駅へ向かう新幹線。鹿児島本線・肥薩おれんじ鉄道線に並行している。
- [JF] 日豊本線
小倉駅及び、鹿児島駅で接続する、東九州沿いの幹線路線。一般的に大分方面への短時間移動は、特急「ソニック」「にちりん」などを使うのが一般的。
- [JE][JC][JG] 筑豊本線(若松線・福北ゆたか線・原田線)
折尾駅で接続している筑豊の幹線路線。そのうち、折尾~桂川~博多までの区間は「福北ゆたか線」という愛称が付けられており、事実上、鹿児島本線の迂回路線。
- [JD] 香椎線
香椎駅で接続している、福岡都市圏のローカル線。海の中道・宇美方面へ向かうに便利。
- [JH] 長崎本線
鳥栖駅で接続している、佐賀・長崎・佐世保方面への幹線。長崎・佐世保方面へは、特急「かもめ・白いかもめ」「みどり&ハウステンボス」を使うのが一般的。
- 久大本線
JR久留米駅で接続している、湯布院方面へ向かうに便利なローカル線。絶望的に本数が少なく、事実上、特急「ゆふ・ゆふいんの森・ゆふいんの森DX」を使わないと、到達は不可能に近い。
- 豊肥本線
- 三角線(あまくさみすみ線)
- 肥薩線
- 指宿枕崎線
JR以外の鉄道事業者
- 北九州モノレール(小倉駅)
- 西鉄貝塚線(千早駅)
- [T] 西鉄天神大牟田線(大牟田駅)
大牟田駅で接続している、西日本鉄道が運営する私鉄路線。博多~大牟田間で競合している。
- 熊本市電
- 肥薩おれんじ鉄道線
- 鹿児島市電
JR九州レポート
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