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鉄道駅めぐり 肥薩おれんじ鉄道(おれんじ鉄道線)
作成 2025年6月14日

関連リンク:肥薩おれんじ鉄道株式会社(公式サイト)
肥薩おれんじ鉄道線(ひさつ-おれんじ-てつどうせん)は、熊本県八代市の八代駅を起点に、水俣市・出水市・阿久根市などを経て、鹿児島県薩摩川内市の川内駅に至る鉄道路線。並行する九州新幹線が2004年3月に開業したのに併せ、それまでの旧・鹿児島本線に相当する線区を、第3セクターの肥薩おれんじ鉄道会社に継承させたもの。
全体を通じて海寄り・山ありの景観に富んだ道筋を辿るものの、周辺人口の減少や、旧・鹿児島本線時代から自動車交通に依存した地域であることから、おれんじ鉄道会社発足当時から総じて利用者は少なく、現在でも度々存続を巡る騒動が出るなど、先行き不透明な情勢が続いている。
スペック情報
- 肥薩おれんじ鉄道会社が定める路線名:肥薩おれんじ鉄道線
- 鉄道ラインカラー:黄
- 実延長距離:116.9km
- 起点:熊本県八代市(八代駅)
- 終点:鹿児島県薩摩川内市(川内駅)
- 主な通過点:
(熊本県)葦北郡芦北町・葦北郡津奈木町・水俣市
(鹿児島県)出水市・阿久根市
- 線路の幅:1,067mm(狭軌)
- 線路の種類:単線
- 電化方式:全線非電化
※上空に電線が敷かれているが、JR貨物が通過目的で使用するのみで、おれんじ鉄道会社は一切使用しない(気動車方式による運行)。
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 保安装置:ATS-SK
- 最高速度:時速95キロ
- 最初に開業した日:1922年7月1日(西方駅~川内町駅)
※川内町駅は、現在の川内駅に相当。開業当時は「川内線」。
- 最後に開業した日:1927年10月17日(湯浦駅~水俣駅)
※1923年に八代駅~日奈久駅(現・日奈久温泉駅)が開業した当時は「肥薩線」。この旧・肥薩線+旧・川内線を統合し、鹿児島本線と改称。それに併せて旧・肥薩線は、現在のJR肥薩線(八代~隼人)経由に変更。
- 第3セクター転換日:2004年3月31日
- 鉄道事業者の歴史:国鉄→JR九州→肥薩おれんじ鉄道
駅舎訪問
※太字は簡易委託駅であり、日中時間帯は原則として駅員が駐在している。
熊本県区間
鹿児島県区間
肥薩おれんじ鉄道あれこれ
使用車両

肥薩おれんじ鉄道 HSOR-100形気動車
肥薩おれんじ鉄道会社線(以下「OR線」)は上空に電線が走っており、一応は交流電化されているものの、電車だとコスト増で経営が苦しくなることが想定されたため、開業当時から製造・維持管理費が低く抑えられる気動車を採用。上空の電線はJR貨物が使っており、同社は肥薩おれんじ鉄道会社線を借りる形で運行している(JR貨物がおれんじ鉄道会社に使用料を支払うため、ただでさえ貧乏な肥薩おれんじ鉄道会社にすれば貴重な収入源になっている)。これとは別に、JR九州の観光列車がOR線を借りることがある。
おねだん

2024年10月1日改定地点の普通旅客運賃(こどもは半額・10円未満切り上げ)
- 九州の第3セクター鉄道会社の中では、際立って運賃が高いのが特徴。初乗りだけで230円(JR九州は200円)と、なかなかなお値段である。
- OR線は原則としてワンマン列車であるため、無人駅では車内精算、有人駅では出札口に待機している職員に運賃を支払うか、きっぷを手渡す。
- 有人窓口では券売機方式によるきっぷの売り捌きのほか、定期券・常備券・補充券・回数券・団券・企画乗車券・入場券なども発売している。
-
JR線との連絡運輸に対応しており、券売機でも普通にJR線乗り入れ先の鉄道駅までの乗車券を購入可能。逆に一部のJR駅でもOR線経由のきっぷを購入できる。
- OR線では、SUGOCAなどの交通系ICカードでの乗車は一切出来ない。一方で有人窓口では、紙媒体乗車券を交通系ICカードやQRコード決済で購入することは可能。
-
「青春18きっぷ」はOR線では一切利用できない(JR⇔3セク⇔JRの途中下車なし前提で乗り継ぎといった手法が出来ない)。その代わり、18きっぷを提示することで、OR線1日フリーきっぷを特別価格で購入できる。
【主な企画乗車券】
- おれんじ1日フリーきっぷ:有効日内であれば肥薩おれんじ鉄道線が1日乗り放題になる。
- おれんじ18フリーきっぷ:JR線の「青春18きっぷ」を提示することで、前述のOR線乗り放題きっぷが特別価格で購入・乗車できる。
- 4ヤングきっぷ:4枚綴りの回数券で、中学生・高校生の身分証明書を提示することで、夏休み期間中にOR線を特別価格で乗車可能。
- となりまちきっぷ:佐敷駅と水俣駅を往復する場合に限り、乗車運賃を割引し、かつ、提携店舗のサービスを受けられる。
- JR・おれんじ トコトコ2枚きっぷ:「熊本~佐敷」「鹿児島中央~阿久根」の線区内に限り、2枚綴りの回数券を特別価格で提供。JR線の窓口・指定席券売機でも購入可能。
- JR・おれんじ ぐるりんきっぷ:片方を新幹線、もう片方をOR線+JR線という形で乗車するトクトクきっぷ。JR線のみどりの窓口・指定席券売機でのみ購入可能。
- 旅名人の九州満喫きっぷ:JR線のみどりの窓口・指定席券売機でのみ購入可能。肥薩おれんじ鉄道会社は、満喫きっぷの加盟社。
※この項目は2025年9月30日まで有効です。詳細は鉄道会社の公式サイトで確認を。
おれんじ鉄道、戦力外の危機
人口減少社会や自動車交通依存という地域性から、開業当時から常に赤字経営で苦戦を強いられている。「おれんじ食堂列車」やラッピング列車の増加などで呼び込みなどの対策は行っているものの、基本的には自治体の支援やJR貨物による使用料収入によって、どうにか存続している状況である。
OR線の支援に関しては、地形的な事情から鉄道を残した方がよいと考える熊本県と、新幹線に完全移行してOR線の存続と距離を置きたい鹿児島県とで考えに隔たりがあり、尚、予断を許さない状況が続いている。

いつまでも あると思うなよ? OR線
接続する他の鉄道路線
- 鹿児島本線(JR九州)
起点の八代駅・終点の川内駅で接続するJR線。肥薩おれんじ鉄道線も、3セクに分離される前までは鹿児島本線の一部だった。
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九州新幹線(JR九州)
道中の新水俣・出水・川内の3駅で接続する高速鉄道。OR線は新幹線開業に伴って発足したもの。
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