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E29 播磨自動車道
作成 2021年11月17日

播磨自動車道(はりま-じどうしゃどう)は、兵庫県たつの市と宍粟市を結ぶ高速道路。鳥取と姫路を結ぶ西播地域の横断路線であり、中間部の播磨科学公園都市へのアクセスに便利。
スペック情報
- 国土開発幹線自動車道建設法に基づく路線名:中国横断自動車道 姫路鳥取線
- 高速自動車国道の路線を指定する政令:中国横断自動車道 姫路鳥取線
- 西日本高速道路(NEXCO西日本)が定める路線名:播磨自動車道
- 高速道路ナンバリング:E29
- 実延長距離:24.2km
- 起点:兵庫県たつの市揖西町土師(播磨JCT)
- 終点:兵庫県宍粟市山崎町高下(宍粟JCT)
- 重要な通過点:兵庫県相生市
- 設計規格:第1種第3級
- 設計速度:時速80キロ
- 車線数:完成4車線(仮)
- 最初に開通した日:2003年3月29日(播磨JCT~播磨新宮IC)
- 最後に開通した日:2022年3月12日(播磨新宮IC~宍粟JCT)
走行記録

下り行き(播磨JCT→宍粟JCT) NEW
思い出補正(播磨新宮止まり時代)

上り行き(宍粟JCT→播磨JCT) NEW
思い出補正(播磨新宮止まり時代)
- E29播磨道にはサービスエリア・パーキングエリアはございません。中国横断道全体で見た場合に限り、E2A中国道連絡区間にある揖保川PAや、E29鳥取道側の休憩施設をご利用して戴く形になります。
E29播磨道あれこれ
不自然な「播磨新宮・宍粟市山崎回り」
この高速道路が作られた理由は、ただ一つ。中間点の播磨科学公園都市へのアクセスを目的に整備されたこと。極めてロコツな政治誘導型の路線である。
E29播磨道の法律名は「中国横断道・姫路鳥取線」であるため、一般的に考えるならば姫路市から国道29号経由で鳥取に抜ける道筋が、本来の南北軸の整備だった。ところがE29播磨道は、当時の兵庫県政の考えである播磨科学公園都市を整備し、後付けで国策的にその道を横断道と指定するように作られた。背景にあるのは、昭和時代における西播地域の近代的経済発展が遅れていたことへの対策。
同じ姫路鳥取線の仲間で、旧・因幡街道の道筋を辿るE29鳥取道は、歴史的かつ必然的に人の行き来があるため、阪神エリアと鳥取・山陰へのアクセス路線として重宝されている。一方、E29播磨道は、姫路市街や山陽本線沿線の人口・産業の帯から、大きく西側に外れており、E2A中国道側でも「ここを経由すると一気に便利になる!」という結節点と噛み合っていない。
極め付けは、既に播磨と但馬・山陰方面のアクセス路線として、東側にE95播但道が既に開通していたため、現在でも多くのドライバーがそのルートを活用してE2山陽道とE2A中国道を行き来する。宍粟市やたつの市・赤穂市あたりならば、辛うじて短絡移動が出来る見込みはあるものの、周辺人口の少なさも相まって効果は限定的。日常の通勤・通学ルートとしても、トラックの幹線バイパスとしても、「あえてE29播磨道を選ぶ決定打」が弱すぎる。
端から見て「無駄」「負の遺産」と思わるのも無理はない。

明確なグランドビジョンのないE29播磨道は、当時の県政の事情で無理やり引っ張られた路線であり、数あるNEXCO西日本の路線でも後ろめたさを感じる。ただ、作ってしまったからにはしょうがないので、ポジティブに有効利用の手立てを前向きに考えたいものですね。
E29播磨道が一本化することで得られる、大きな整備効果
- 時間短縮効果。本来の起点となる姫路市(山陽姫路西インター)と鳥取市(鳥取インター)の連絡に対し、国道経由では3時間以上掛かっていたものが、E29播磨道・E29鳥取道連続利用で、約2時間程度に縮まります。
- 迂回路の確保。東側にあるE95播但道が、何らかの理由で通行不能になった場合でも、E29播磨道を使えばE2A中国道・E2山陽道の代替利用に使えるようになります。
- 産業・観光の強化。中間部の播磨科学公園都市では、高度な医療機関や科学研究施設、それらに関連する工業団地の誘致や住居の確保などの進展が期待されます。また、西播地域における並行する一般道の狭隘解消や、医療体制の改善で陰陽連絡が今以上に行いやすくなります。
播磨新宮インターチェンジめぐり


E29播磨道 播磨新宮IC
- 播磨JCTからの距離:12.8km
- 住所:兵庫県たつの市新宮町角亀
- インターチェンジ名:播磨新宮
- 工事中の仮称:新宮
- 出口標識:播磨新宮 三日月 播磨科学公園都市
- 料金所番号:01-745
- レーン情報
[入口] ETC専用:1/サポート:1
[出口] ETC専用:1/サポート:1
- 接続先の道路:兵庫県道726号播磨新宮インター線(兵庫県道44号相生宍粟線と接続)
- 運用開始日:
(開通日)2003年3月29日
(ETC専用化)2024年3月18日
- 1日あたりの利用台数:約1,300台
- インターチェンジの形状:トランペット型
- バスストップ併設:×
- 料金所の管轄:西日本高速道路関西支社 姫路高速道路事務所
-
解説:E29播磨道で唯一のインターチェンジで、同路線のほぼ中間点に設けられている。兵庫県が主体となって整備した播磨科学公園都市へのアクセスを理由に開発されたもの。宍粟JCTと繋がるまでは中途半端にココと播磨JCTとの間しか行き来できず、E2山陽道の増設インターのような扱いを受けていた。
2024年3月よりETC専用インターに切り替わったが、E29播磨道は当インター以外に一般道と出入りが可能なインターが無いため、事実上、日本初のETC専用高速道路が誕生した。
【参考文献】
- こころ豊かな兵庫の道づくり : 新たな道路整備五箇年計画
(平成10年度~平成14年度 / 兵庫県土木部道路建設課 / 1999年2月)
- 21世紀の道づくりのために : 兵庫県の道路整備への提言
(兵庫県土木部道路建設課 / 1987年)
- 新世紀に向けた兵庫県交通計画 : 近畿圏の発展を支える交通の未来像
(近畿運輸局地域交通研究会 編 関西交通経済研究センター / 1992年2月)
- 21世紀のまちを拓く:播磨科学公園都市建設の軌跡
(兵庫県企業庁 / 1999年3月)
- 西播磨テクノポリス基本構想 : 21世紀兵庫づくりの牽引力
(西播磨テクノポリス建設促進協議会・兵庫県 編 / 1982年3月)
接続する他の道路
- [E2] 山陽道
起点の播磨JCTで接続する高速道路。法律上は、山陽姫路西インターから播磨JCTまで重複している。
- [E2A] 中国道(E29鳥取道接続)
宍粟市山崎地区の宍粟JCTで接続する高速道路。ジャンクションは旧・チェックバリアーの跡地を流用。
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