国道57号 北側復旧道路

作成 2020年10月5日

 北側復旧(きたがわ-ふっきゅう)道路は、熊本県阿蘇市と熊本県菊池郡大津町とを結ぶ自動車専用道路。2016年の熊本地震で、北側復旧ルートに並行する現道が壊滅的被害を受けたことから、計画上存在していた中九州道・阿蘇大津道路のほぼ全区間を踏襲する形で、現道の北側に別線を整備したもの。

 万一、現道で再び大規模な土砂崩れが起きた場合でも、ミルクロード経由で大渋滞が起こらないよう別線を整備することで、緊急時の迂回路として利用することが可能となり、分散効果が期待される。

スペック情報

幻の「中九州道・阿蘇大津道路」を踏襲


国道57号北側復旧道路
(二重峠トンネル及び、関連道路の概要。九州地方整備局が公開している資料より引用)

 当初、阿蘇市~大津町までの国道57号は、並行して「阿蘇大津道路」を整備する計画があったものの、2009年12月に「事業休止」を表明し、当面は国道325号阿蘇大橋付近~大津町の現道4車線化を優先する方針となった。

 しかし、2016年の熊本地震で国道57号(阿蘇大橋を含む)が寸断されたことから、迂回路を確保することを理由に、現道の北側に「復旧ルート」名目でバイパス道路を整備することが急遽決定。大急ぎで建設を進めた結果、2020年10月3日に現道も含め、一斉開通となった。これには建設が中止された阿蘇大津道路の調査データが残されていたことから、調査に別の時間を取られる必要が無くなったのも早期開通の決め手になっている。

 なお、穴を掘り始めた当初は一般道路スペックで建設することになっていたが、崩落現場の補強工事を行った際、現道部も再利用が可能と判断されたことから、2019年の段階で自専道スペックに格上げされている。いわば、中九州道との接続、及び路線名変更に「含み」を持たせている


開通前まで迂回路として使われていた「ミルクロード」(熊本r339+r23)は、元々が地元優先+観光道路として整備されたもので、主要幹線道路として耐えられるような設計にはなっていない。そのため、アップダウンや急激な曲線が多い割に、本来の想定を遙かに上回る車両が流れ込み、大変危険な状況だった。

参考文献:

走行記録


下り行き(阿蘇西IC→大津IC)


上り行き(大津IC→阿蘇西IC)

接続する他の道路

高速道路レポート

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