代行バスに乗車してみた
訪問 2018年9月9日
作成 2020年2月14日
BRT転換容認前まで運行されていた、代行バスの乗車記録。
乗車レポート(代行バスに乗ってみた!)
2018年9月9日に、青春18きっぷを利用して添田駅へ。添田着は14時00分頃であり、列車内に客はあまりいなかった。地元の方が数人と、18きっぷ利用者が一定数いた程度。
代行バスは添田駅の隣にあるバス停(西鉄バス・コミュニティーバスの添田駅前BS)に停車しており、鉄道遅延や乗り換え客に配慮し、約20分程度の猶予時間を設けていたように見える。添田発の代行バスは10人乗りのマイクロ車そのもので、大量輸送を行うことを最初から想定していない。私は出来るだけ一番前のイスに座ったが、この時も客は合わせて5人乗車しているかどうかの次元だった。
マイクロバスの運転席部分にきっぷ・運賃箱が設置されているモノの、あくまでも下車客に対処するための簡単な措置に過ぎず、釣り銭の出し入れなどは全く出来ない。距離に応じた運賃を一切の釣り銭なしで入れるか、添田駅・日田駅構内に設けられた自動券売機で、予め、下車予定駅のきっぷを購入するスタンスである。
紙に書かれた時刻表では、14時20分に添田駅を出発することになっていたが、あまりに客が少なすぎるために、前倒しして14時15分頃に出発。
彦山駅までは、日田彦山線(添田~夜明)に並行する福岡県道52号八女香春線を利用して移動。鉄道区間ではそれなりにスピードを出すことは出来たが、代行バスの場合は道路の上を通ることから、道交法に基づく規制速度(時速50キロ以下)でしか走行しない。この辺が代行バスの弱点であり、何かと注目を浴びるBRT気仙沼線・BRT大船渡線の一般道区間における制約とも言える。折り返し、田川後藤寺行きの気動車を見送りながら、彦山駅を目指して南下していく。
14時24分頃に不通区間では最初となる歓遊舎ひこさん駅に到着。ココは「道の駅歓遊舎ひこさん」が併設された駅であり、駅舎ではなく道の駅の駐車場に停まるという、何というシュールな展開である。乗降する客がいないことから、そのまま次の駅へ。
14時27分頃に豊前桝田駅前の道路に着いたが、誰も乗降しないので通過。その後も県道52号を進んでいき、14時33分頃に彦山駅に到着した。ココで2~3分程度停車するが、動きとしてはJR線の代替という位置づけから、いわゆる彦山駅特有の「信号待ち」ということになる。ココまでは順調な滑り出しだろう。
14時35分頃に出発し、ここからは国道500号経由になる。日田彦山線は県道52号に並行しているが、その道路が離合困難な狭隘道路な上、九州北部豪雨災害からまだ1年しか経過しておらず、まともに補修も出来ていないことから、そのルートは通らない。従って、国道500号で一旦、東峰村小石原地区(旧・小石原村)を目指した後、そこで国道211号に乗り換えて峠を越す。日田彦山線の彦山~筑前岩屋が約8kmで約15分程度の所要時間なのに対し、国道経由は約22km・所要時間は約35分と、大幅なタイムロスになってしまう。
もちろん、この国道経由の約35分というのは、あくまでも一切の交通上の制約がなく、時速50キロで走行したと仮定した場合の仮定のもとで計算されている。実際には当時の国道500号は福岡県が主体となって災害復旧工事を進めており、災害から1年が経過したとは言え、まだまだ余談を許さない程に土砂崩れの解消に専念していた。そのため、所々で片側交互通行が実施されており、急激な坂道の途中にあることから、余計にタイムロスが起きてしまう。
14時40分頃に添田町を抜け、いよいよ東峰村(旧・小石原村)に入る。14時45分頃に道の駅小石原(東峰村役場小石原支所隣接)に差し掛かるが、あくまでも代行バスに過ぎず、本来はJR駅ではない。従って、そのまま通過してしまう。BRTでの復活をJR九州が臨む場合は、本来の日田彦山線とは別に、代行バスで運行している国道500号・国道211号経由での輸送も検討材料に含めているという。
小石原支所を過ぎると、一転して今度は下り坂。小石原地区の周辺だけは立派に道路が整備されているものの、所々道幅が狭い場所がある。しかも、もう少しで宝珠山地区に差し掛かろうとした所で、再び、災害復旧に伴う片側交互通行。しかも、カーブで見通しが悪すぎるため、通常よりも待ち時間が長かった。2018年当時としては、少なくとも写真のような形で、未だに完全修復が出来ていない九州北部豪雨の束縛があったように見える。
14時58分頃、東峰村役場(旧・宝珠山村役場)近くのバス停に停車する。ココでも2~3分程度の停車となるが、この近くにある大行司駅は2面2線の相対式ホームになっているため、理論上はココでも信号待ちをする形を採る。
なお、ココから先は夜明駅まで国道211号を利用するが、ごく僅かではあるものの、最も被災が酷い筑前岩屋駅方面へ向かう代行バスも存在している(担当は西鉄バス久留米)。
15時4分頃に宝珠山駅に到着。駅舎には入らず、駅前の国道211号(福岡県・大分県境)に停車する。後は道なりに国道211号を進んでいき、国道211号の起点となる夜明大橋北交差点で国道386号に乗り換える。国道386号に入った所で、夜明駅前のバスストップがあることから、そこで下車することにした。到着時刻は15時17分。
これが鉄道であれば、だいたい14時45分~15時00分頃に到着しているはずなので、代行バスの継続運用にも限界があるのは理解する必要があるだろう。
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