新天町は「道路」なのか?

作成 2017年6月21日

商店街・新天町

 新天町の全通路課税 福岡市方針、新たに3000万円 商店街は反発
(西日本新聞 2017年3月14日付朝刊)


新天町入口

 西鉄福岡天神駅の近くにある「新天町」は、西鉄の商業街とセットで有名な商店街。日々、お客さんが絶えないが、これは単に駅に近い(というか、ほぼ一体的に配備されている)ことや、元々、若い人を中心にお買い物がしやすいように創意工夫こらした構造をしているため。中心部に時報の代わりとなる巨大な鐘が設置されていることでも有名だが、最近は設備強化の観点から、その通路となりうる部分はフェンスで覆い被さっている。


中心部を通り、巨大な鐘が壁際に設置されている部分は「道路」なので課税対象外。
飾り山があるということは……。あと1ヶ月ほどで追い山となる。つか、元々は博多のお祭りなんですけど。

課税されなかった理由

 どうしてココが課税から外されていたのかというと、いわゆる壁に設置されている鐘の部分は、明確に車両も通行が出来る(但し、時間制限がある)ことから、福岡市の道路という理由から課税されていない。一方、それを交差する形で軒を連ねている部分は、ビルの形で建設された経緯があることから、道路法の解釈から外れ、「あくまで私有地」という理由から税金を徴収する必要が出たため。確かに年3,000万円はバカにならない税金ではあるものの、時間帯問わずに客が通過したり、店に立ち寄って飲み食い買いをしている限りは、十分にもとを取り返せる程の収入があるのではないか?と思うわけですよ。


課税が予定されている部分のひとつ。いやー、これはビルの中なんじゃないの?

 「エアコンを付けてるし、利用者に便宜を図っているから課税は酷い」という商店街の言い分も分かるが、そうであるにしても、私がココを素通りする時は、明らかにビルディングの中にいるという印象があって、そこを「公共の道路」と考えるのは、かなり違和感。課税されたく無ければ、ビルを取り壊して福岡市道に降格するくらいの対抗策が必要だが、そこまでして商店街の人が考えるとは思えない。損得勘定ではないが、結局、それをするくらいなら納税した方が安上がり、みたいに考えてるのが本音なんじゃないのかな。

地元紙も関与

 ちなみに、この商店街では、大抵はnimocaをはじめとするICカード乗車券が利用可能。この辺はやはり、「西鉄村」の印象がありますな。また、新天町の設立には地元の西日本新聞社も関与しているため、この新聞を読んでると、新天町の広告が高い確率で出てくる。その点はブロック紙でありながらも、実質的に「福岡の新聞」として機能している証左と言えるだろう。

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