ETCパブリックカードのご提案

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ETCパブリックカードのご提案

作成　2019年9月27日

技術的・論理的にも不可能な「Suicaで決済」

勘違いの都知事と都議に喝！首都高渋滞解消に、料金所撤廃、Suica導入論は無意味
（清水草一／日刊SPA!　2019年9月14日）
令和元年東京都議会会議録第十四号
（東京都議会　2019年9月9日）
第35回国土幹線道路部会　配付資料
（国土交通省道路局　2019年9月4日）

　首都高速の料金所撤廃が加速することで、入口料金所でのプチ渋滞が起きる可能性はあっても、本線料金所での混雑はほぼ解消される。NEXCO東日本・中日本が管理する都市間高速との接続ポイントでは本線料金所が残るものの、そこでの猛烈な混雑が発生するかと言えば、微々たるものだろう。この辺は永福ランプさんの指摘通りである。

　で、永福ランプさんが「（東京都をはじめとする首都高速沿線と国土交通省の見解として）Suica（前払い決済システム）を導入することも検討しているが、論点ズラし」と主張している。完全ETC化を国策で目指す以上、Suicaのような前払い方式が採用されればと普通は考えるが、ココでSuicaのペンギンさんに出てきてもらいましょう。

通信方法や技術が全然違うから、ムリだよ～。机上の空論。

　Suicaなどの交通系ICカードはFeliCaと呼ばれる、磁石（ICチップ）を活用して自動改札機を通過するシステム。無線で飛ばすことなどハナから考えていないし、磁石による通信を行う以上、その磁力（電波）が飛ばせる範囲もごく至近距離でしかない。無理やりETC車載器に搭載させてデータを暗号化し、それをETC通信装置で相互受信という発想もあるが、技術的にも論理的にも不可能に近く、強引にアップデートさせればコストが鰻登りに上昇して通行料も大幅アップになるのは避けられまい。

　この辺は小池知事や東京都の見解として、ETC完全移行を国策レベルで実施する場合に現金等での支払いの代替案を示しただけだろう。技術屋や一部のユーザーの視点から考えたとしても、安易に知事や都の職員を責めるわけにはいかない。が、国策でキャッシュレスを勧める以上は、交通系ICカードとは異なったキャッシュレスを考えなければならない。

ETCパブリックカード（仮称）の考え方

　と言うわけで妙案。東京都などの自治体（主に都道府県・政令市）が一時的に利用者に貸与する「ETCパブリックカード」（仮称）を提供するのはどうだろう？考え方としては、

市町村役場に出向き、パブリックカードを利用したいことを告げたあと、必要書類への記載と印鑑証明（←古っ!）・免許証・住民票（またはマイナンバーカード）を提出した上で、1ヶ月限定で使用できるETCカードを貸し出す。
1ヶ月が経過したら、その地点でETCカードの効力が無くなり、利用不可能になる。
ETCカードを役場に返却。後日、通行料金と貸与使用料2,000円を役場に納付。
支払いを怠った場合は、原則として半年間は利用禁止。
使用したETCカードは利用記録を自治体が一定期間保管の上、ICチップを粉砕する形で処分。
あくまでも現金等の代替措置であるため、各種ETC割引は一切適用されない（通常料金で計算。但し、割高区間の料金調整は実施）。

　これならばETCパーソナルカードを発行する必要性も薄れるし、役場のお世話になりたくないと思うのであれば、通常のETCカードを自前で発行すればいい。恐らくはコレに近い形でETCへの完全移行を目指すのでは？

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