D31 久住高原ロードパーク(休園中)

訪問 2020年2月23日
作成 2020年4月12日

 久住高原(くじゅうこうげん)ロードパークは、大分県竹田市久住町にある岩崎産業(いわさきグループ/鹿児島市)が保有する、民間の有料道路。久住連山の麓を連続カーブの繰り返しで行き来する路線で、春夏秋冬様々な風情を楽しみながら両端の県道を繋ぐ観光道路である。

道路運送法に基づく「民有道」

 NEXCOグループや地方道路公社が管理する一般有料道路(国土交通省道路局所轄)と異なり、岩崎産業(いわさきグループ)が保有する自動車交通に特化した民有道であり、道路運送法に基づく一般自動車道(道路運送法第2条第8項規定)として九州運輸局から許可を得て建設・供用している路線である。通行料金は有料道路事業者の利益に回せるため、テーマパークの入園料の考えと同じである。

 民有道として運用するのは、昭和時代には結構な場所で見られた。道路整備を国や自治体が行うだけでなく、自動車の普及に合わせて、地元の観光業者や不動産会社などが主体となり、宿泊施設や展望台などのリゾート施設をセットで整備する形で、民有の有料道路が至る所で開業していく。

 しかし、時代の変化で客層や住民が都心部に偏るようになると、そうしたリゾート地の整備に限界が達し、客離れも重なって割に合わないという理由で廃業に追い込まれる道路が多発。大抵の民有道は各都道府県や市町村にタダ同然で譲渡され、県道などに転換されたが、現在でも首都圏・関西圏などを中心に約30件ほど残されている。


NEXCO・地方道路公社が管理する有料道路は、公共財としての側面があるが、道路運送法に基づく自動車道の場合は、民有道を保有する事業者の裁量で道路交通経営を行っている。まあパッと見た感じ、有料道路の違いなど、普通の人には分からないだろう。

スペック情報

参考文献:一般自動車道「久住高原ロードパーク」の使用料金の変更認可について
(国土交通省 九州運輸局 2015年2月17日付)

通行料金

※2015年の通行料金改定申請に基づいたもの。消費税8%当時の値段であり、現在は休業していることから、復帰後は再び料金が改定される可能性がある。

走行記録(休園中)


2016年の熊本地震で道路に損傷が発生したことから、「当面の間」と称して休園状態が続いている。ココでは休園していた当時の写真を紹介していく。


瀬の本口から料金所を眺める。バリケードで閉鎖され、手入れも行われずにやや廃れていた。


営業休止を知らせる立て看板。手書きで対処している。


立ち入り禁止を示すガード。道路には亀裂が走っている。


消費税改定をすることなく、ほったらかしになっている料金表。


(イコ太)いつになったら「再開」するんだ!

岩崎産業は一刻も早く、今後の見通しを説明して欲しい。

 営業休止なので、いつかは再開するという前提条件がある。しかしながら、熊本地震から既に4年以上が経過し、復興が続いている最中でいつまでも「休止」と説明するのは、利用者も納得できないはずである。道路の所有者である岩崎産業(いわさきグループ)は、永久に休止(実質的な廃道)とするのか、それとも工事時期を示して営業再開をするのか、ちゃんと説明して欲しい

 ちなみに、いわさき系の道路としては、佐多岬に通じる「佐多岬ロードパーク」も営業していたものの、割に合わないという理由で営業休止に追い込まれ、後に南大隅町に譲渡する形で、同町が管理する公園施設として再開している。この事例があることから、同じステップで考えるとなると、久住高原がある竹田市との交渉次第、と言うことになるのだろう。果たして、それを竹田市が引き継げるモノなのかは分からないが……。


瀬の本口から阿蘇方面を眺める。「何らかの形」で営業再開を願うしかない。

一般有料道路

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