「法律上はそういう規定は無いけど、昔は高速道路の運営上、あっても良かったレガシーなもの」を考えてみた。

作成 2020年8月27日

※ブログからの転載となります。

カントリーサイン(うるおい標識)撤去へ

 高速道路上のカントリーサイン(うるおい標識)は、基本的には道路標示ではなく、看板扱いである。これは法律上、違反となる恐れがあることから、順次撤去される見通し。


うるおい標識は、過去の遺産となりつつある。

ハイウェイラジオも撤去か?

 表題にもある通り、カントリーサインが過去の遺産と化している状況で、現代社会において高速道路の運営上、不要とされるものは何か考えてみたが、多分、ハイウェイラジオだと考える

 昔は遠方で事故が発生した場合、情報伝達手段がラジオを受信するか、直近の交通情報板を見るぐらいしか手段がなく、現場に辿り着かないと状況が把握できなかった。これを少しでも改善するため、特定の線区にコイルを巻き、そこから微弱な電波を発信することで情報伝達を送るラジオ放送システムが開発された。

 スマートフォンが普及した現在では、4G・5G回線を活用して瞬時に道路状況をチェック出来るし、渋滞情報の確認もGoogleマップの混雑状況を使えば、官製のナビ機能を使わずとも1分単位で状況が変化する。一方、ハイウェイラジオは、たとえ道路施設であるにしても情報提供に電波を送信する仕組み上、総務省に放送免許の申請・届出・更新が必要になることや、短距離であるにしてもコイルのメンテナンスなどが必要になり、その分がコストとしてのし上がってしまう。交通量が多い東名・名神・東北道・関越道沿線の場合はハイウェイラジオの設置間隔が極端に短い所もあるため、NEXCO各社にすれば、これも「遠い過去の遺産」と捉えるのは、割と自然ではないかと見ている。


ハイウェイラジオがあるにしても、そもそも1,620KHzに合わせようとしないし……。

 昔であればジングルの部分にJH公式曲「風のいるナビシート」のイントロ部分を流し、その上でJHからの交通情報を機械的に発信するなどして、ドライバーを楽しませる仕組みが盛り込まれていた。しかし、最近は出力数が大幅にダウンしてしまい、基山PA近くのハイラジも大音量に設定してもマトモに受信できない(音声がショボショボにしか聞こえない)。それを思うと、今はスマートフォンなどで交通情報を収集するサービスを提供しつつ、一方ではスマホが使い切れない人に対するユニバーサルサービスの一環で導入しているハイラジも、次の放送免許更新の時に見直しして、スマホで直接情報収集をお願いしてもらう流れになっていくのではないだろうか

※ちなみに、NEXCO東日本はスマートフォン向けアプリ「E-ハイラジ」を使って、道路交通情報の提供を従来の音声に加え、文字列・グラフィック・カーナビゲーションシステムの要領で情報発信する試みを始めている。

参考リンク:「E-ハイラジ」アプリを10月29日12時よりサービス開始
~道路交通情報提供の高度化・多言語化に係る実証実験を行います~

(東日本高速道路株式会社 2020年10月28日付)

 利便性向上と引き換えに、何らかのサービスが失われる光景が続いているモノの、まあ、コレも諸行無常と考えれば仕方のないことだろうと思う。

【作者が考える「今の時代にはレガシーなもの」】

高速道路レポート

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