ETCパブリックカードのご提案

作成 2019年9月27日

技術的・論理的にも不可能な「Suicaで決済」

 首都高速の料金所撤廃が加速することで、入口料金所でのプチ渋滞が起きる可能性はあっても、本線料金所での混雑はほぼ解消される。NEXCO東日本・中日本が管理する都市間高速との接続ポイントでは本線料金所が残るものの、そこでの猛烈な混雑が発生するかと言えば、微々たるものだろう。この辺は永福ランプさんの指摘通りである。

 で、永福ランプさんが「(東京都をはじめとする首都高速沿線と国土交通省の見解として)Suica(前払い決済システム)を導入することも検討しているが、論点ズラし」と主張している。完全ETC化を国策で目指す以上、Suicaのような前払い方式が採用されればと普通は考えるが、ココでSuicaのペンギンさんに出てきてもらいましょう。


通信方法や技術が全然違うから、ムリだよ~。机上の空論。

 Suicaなどの交通系ICカードはFeliCaと呼ばれる、磁石(ICチップ)を活用して自動改札機を通過するシステム。無線で飛ばすことなどハナから考えていないし、磁石による通信を行う以上、その磁力(電波)が飛ばせる範囲もごく至近距離でしかない。無理やりETC車載器に搭載させてデータを暗号化し、それをETC通信装置で相互受信という発想もあるが、技術的にも論理的にも不可能に近く、強引にアップデートさせればコストが鰻登りに上昇して通行料も大幅アップになるのは避けられまい。

 この辺は小池知事や東京都の見解として、ETC完全移行を国策レベルで実施する場合に現金等での支払いの代替案を示しただけだろう。技術屋や一部のユーザーの視点から考えたとしても、安易に知事や都の職員を責めるわけにはいかない。が、国策でキャッシュレスを勧める以上は、交通系ICカードとは異なったキャッシュレスを考えなければならない。

ETCパブリックカード(仮称)の考え方

 と言うわけで妙案。東京都などの自治体(主に都道府県・政令市)が一時的に利用者に貸与する「ETCパブリックカード」(仮称)を提供するのはどうだろう?考え方としては、

 これならばETCパーソナルカードを発行する必要性も薄れるし、役場のお世話になりたくないと思うのであれば、通常のETCカードを自前で発行すればいい。恐らくはコレに近い形でETCへの完全移行を目指すのでは?

高速道路レポート

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