E9山陰道あれこれ

作成 2021年5月13日

 E9山陰道に関する各補足事項・雑学など。

【ショートカット】

スペックデータ


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一般道路のりつぎについて(現道活用区間)


偶然にも島根県や国土交通省が整備していたバイパスがあったので、それで代替。

 島根県江津市浅利町から江津道路・江津インターまでの区間は、自専道を別途で整備せず、島根県が独自で整備した県道・浅利渡津線のバイパス道路と、国土交通省が有料道路へのアクセス道路整備を理由に整備した「江津バイパス」の組み合わせで中継する形態を採る。快速化された一般道路スペックだが、あくまでも「現道活用」という位置づけであるため、将来的には改めて自専道整備を行う可能性に含みを持たせている。

島根県道302号浅利渡津線

 島根県江津市にある、島根県管理の県道。将来的には山陰道(福光浅利道路)と接続する予定になっている。当面は一般道路スペックの県道を現道活用として流用する。

国道9号江津バイパス

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通行料金

 多くの場所が国土交通省(一部は島根県)による整備・管理により、無料化されている。但し、下記の路線はNEXCO西日本が管理する有料道路となっている

高速自動車国道(松江玉造~出雲)

 松江玉造インターから出雲インターまでは、宍道JCTで繋がるE54松江道(三刀屋木次インターから宍道JCT)とセットで距離別料金制で運用されている。この部分だけ利用する場合、どのコースを辿っても普通車の通常料金は1,100円以内で完結する。

【通行料の一例】

 ETC割引は上述の基本料金をもとに適用される。安来道路やE2A中国道との乗り継ぎに対する連絡制度があり、ETC平日朝夕割引の場合は、三次東・三刀屋木次・斐川・松江玉造・安来の各料金所の通過時刻をもとに、NEXCO線の通行料に対して後日還元を実施する。

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E9山陰道あれこれ

有料区間と無料区間の混在問題

 特に鳥取県米子市から島根県出雲市の道中で目立つ。E9山陰道の大部分が無料自専道として整備されるのに対し、米子西インターから出雲インターまでは、途中にNEXCO西日本が管理する有料道路が混在している。単に建設のプロセスが異なっていることが原因で、現在の米子道路・松江道路が純粋な一般道路のバイパスとして建設省(国土交通省)が整備したのに対し、安来道路・高速自動車国道(玉造~出雲)は日本道路公団・NEXCO西日本が整備したためである。

 無料と有料がゴチャゴチャになっているため、無料区間では国道9号のバイパスとして誰もが利用する一方で、有料区間は遠方客が主体となって急ぎで利用するという形で棲み分けされている。


え?「安来道路と玉造~出雲を無料化しろ」だって?まあ、そういう意見もあると思いますよ……。


もっとも、今の米子道路・松江道路は、元々が一般道路スペックという悪条件から、高速移動にはあまり向いていない。そのため、中長期的には2路線の南側に、改めて別線として正式な「高速自動車国道としてのE9山陰道」の設置も検討するべきかと。

無料区間の案内


無料区間の自専道における、案内標識の標準レイアウト。
基本的にはコレだが、場所によっては微妙にデザインが異なるモノもある。


有料は「緑色塗りつぶし」、無料は「白色塗りつぶし」で区別。

 前述の通りに米子市から松江市までのE9山陰道は、元々が一般道路として開通した経緯から、標識のレイアウトやデザインがメチャクチャだった。こうした事態を回避するため有識者会議を経て、2007年3月頃からE9山陰道の出口標識・入口標識を共通化。2007年4月以降に開通した区間も、基本的にはこのデザインで案内している。

 ただ、無料区間における「次は○○インター」の案内は地域差があり、東伯・中山道路(大栄東伯インターから赤碕中山インター)などでは次のインターチェンジ案内ではなく、シンプルに「無料区間」のみ掲載するなど、完全に一致させているとは限らない。また、NEXCO西日本が管理する有料道路では、こうした表記上のルールが無い。


細かい所を見れば、山陰道で使われているフォントがバラバラというのもある(公団ゴシック・ヒラギノ角ゴ・丸ゴシックの3パターン)。また、市町村標識に関しては、NEXCO西日本管理の有料道路ではシンプルに文字列表記のみなのに対し、無料区間では政令で定められた一般道路向けの市町村標識が混在するなど、かなりのバラツキが存在する。

終点が法律上の場所と異なる

 法律上の終点は山口県美祢市に設定されているが、国土交通省や山口県の資料などでは、E2A中国道・小月インターと直通させる構造になる見通し。そのため、明確に高速自動車国道の予定路線として位置づけられている長門市から美祢市付近までは、国道491号のバイパス道路扱いで整備が進んでいる。

純粋な「E9山陰道」は、ごくわずかしない

 高速自動車国道として開通している松江玉造インターから出雲インター以外の場所は、全て国道のバイパス道路。細かく見ると、

 といった構成をしている。純粋な「高速自動車国道・山陰自動車道」と呼べる場所は、宍道JCTから出雲インターまでの約4.5%の部分だけ。山陰地方の人口及び、切実な経済事情を物語る。

県道のバイパスで乗り継ぎをしている区間がある

 島根県区間では、江津市・益田市の一部区間で既存の県道を流用している。線形が比較的良いため、先に県道を現道活用名目で先行開通しておき、一本化の暁には防災対策などを理由に、現道活用区間の自専道化+自専道の新設を行う可能性が高い。

全体の進捗状況

 山陰の人口が比較的多い鳥取県と島根県出雲地方は、早い段階から整備が行われてきたため、2020年現在では鳥取県東伯郡の一部で一般道乗り継ぎが必要なほかは、ほぼ全て自専道で通過できる。

 一方、島根県石見地方に関しては、地形的な事情と人口・経済面で出雲地方より劣る理由から、建設は行うものの順番は後回しにされている。ただ、出雲インターから益田市までの区間も、2020年代後半までには一本化を目指す方針になっており、完全な形で鳥取県⇔島根県の連絡が出来るようになるのも、そう遠い話ではない。

 逆に、動きがとても遅いのは山口県区間。難所となる部分のみ先行開通している他は、計画止まりが続いている。最低でも小月インターまでは繋げて貰わないと。


山口県区間も「延々と日本海沿いを走る国道191号の弱点」と、「萩・長門市から小月インターまでは結構移動に時間が掛かる」という問題がある。正直、九州島から長門市・萩に行くの大変なんですよ。

高速道路ナンバリング

 山陰近畿道・京都縦貫道とセットで「E9」が指定されている。察する通り、並行する国道の番号が「9」であるため。但し、E9山陰近畿道は未開通箇所が多すぎることから、現地点では京阪神地域との連絡には鳥取インターで接続するE29鳥取道を使うのが一般的。

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参考文献

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[E9] 山陰道

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